◆暑いのが平年並み?◆
天気予報を見ていると「平年より〜」という表現をよく聞きます。例えば、「明日は平年より暑くなるでしょう」「明後日は平年並みの気温となりそうです」といった形です。
この「平年」というのは、気温や降水量、桜の開花時期、梅雨入り・梅雨明けの時期、台風の発生数・上陸数などの「平年値」のことをいい、「平年値」は30年間の平均値をあらわしています。
その平年値が今日から変わります。
これまでは、1981年から2010年までの30年の平均を平年値としていましたが、今日からは1991年から2020年までの30年の平均を平年値することになります。
地球温暖化や都市化による気温の上昇が続いているため、気温や降水量についてはこれまでの平年値より高くなります。一方、梅雨の時期や台風の数などはあまり変わりません。
これがどういうことに影響するかと言うと。
天気予報を例にご説明します。
「明日の気候は平年並みです」と聞いた場合は「いつも通りか」と思う人が多いです。ここで、「明日の気候は平年より気温が高いでしょう」と聞くと、「こんな時期なのに暑いのか」と暑さを警戒する人が増えます。
気温については平年値が上がるため、これまでは「平年より気温が高くなります」といっていた気温でも「平年並みの気候となっています」と表現されるようになります。
人によって暑さへの警戒を緩めてしまう場合もあるのです。
日々、暑くなっていく時期で、しかもマスクを着用していることから熱中症のリスクはどんどん高まっています。平年値だけで全てを判断するわけではないでしょうが、警戒を緩めることがないよう注意しましょう。先日の投稿の熱中症対策もご参考にしてください。